相続した家を有効活用!おすすめ事例や節税のポイントを解説
相続した家を有効活用する方法とは|事例を紹介!
相続が開始されると被相続人の財産を相続人が受け継ぐことになりますが、その中には生前に被相続人が暮らしていた、あるいは別荘などの形で所有していた家を相続することは少なくありません。しかし、相続人がすでに別の住まいを確保している場合、家が余ってしまうことになります。そこで、本記事では相続した家の有効活用について、おすすめの事例や節税のポイントを解説します。
家の有効活用|4つの事例
相続した家の有効活用事例は、主に以下の4つです。
1.賃貸物件化する
一戸建ての家を相続する場合、住む予定がないなら住まいとして「賃貸物件化」する方法があります。人気エリアならすぐに借り手が見つかる可能性は高いでしょう。また、地方であっても学校や病院が近いと借り手が見つかる可能性があります。賃貸で得られる収入は今後相続人のものとなり、嬉しい収入源になります。
2.テナント化する
住まいとしての賃貸化ではなく、テナントとして貸す方法もあります。店舗付き住宅にリフォームして貸すことで、個人事業主などに関心を持ってもらえる可能性が高まります。美容室、喫茶点、エステなどの業態に好まれ、一般住宅として貸すよりも高い賃料を得られる可能性もあります。
3.民泊・シェアハウス・シェアオフィス化する
家は民泊・シェアハウスやシェアオフィスにも転用できます。民泊にする場合は住宅宿泊事業法を遵守する必要があるため、不動産の専門家のサポートを受けることがおすすめです。また、いずれの方法でも近隣トラブルを防ぐ対策は欠かせません。騒音、使用時のマナーなどを徹底した運営が必要になります。
4.売却する
家を相続し、所有し続ける際には「固定資産税」を今後支払っていく必要があります。また、民泊などの方法は管理者が必要となり、相続人によっては重い責任に感じられることもあるでしょう。次の相続時には、また別のご親族が相続する負担も生じます。このようなケースでは、相続した家を売却し、現金化することも有効です。
土地は借地の場合はどうする?
相続した家を有効活用したくても、土地が借地の場合もあります。持ち家はそのまま相続することが可能で、借地権も相続できます。ただし、借地権と建物の所有者は同一であることが基本で、別々の相続人が相続する場合は地主の許可が必要です。賃貸物件化を希望する場合、地主側と過去の土地賃貸借契約内容を確認し、許可が必要です。
不動産活用しにくい家の特徴とは?
相続した家を不動産活用したいと考えても、上手くいかない事例もあります。では、不動産活用がしにくい家の特徴とはどのようなものでしょうか主なケースは以下の4つです。
古くて整備がなされていない
古くて整備がなされていない状態の家は、リフォームやリノベーションをしなければ有効活用をしにくい可能性が高いでしょう。すぐに入居できる状態ではない場合、修繕費をかけて整える必要があります。
いみ施設が近いなど立地環境が良くない
家の状態は良くても、近隣に「いみ施設」が近いと借り手や買い手が見つからないおそれがあります。汚水処理、墓地、火葬場などがいみ施設に該当します。立地環境は不動産活用に大きく影響するため注意が必要です。ただし、いみ施設が近いと相続時の不動産評価が低くなる可能性は高いでしょう。
旧耐震基準で建てられている
家が旧耐震基準(昭和56年6月1日以前の基準)で建てられている場合も、有効活用がしにくい可能性があります。特に売却を検討している場合には、新しい買い手側が住宅ローンのフラット35における審査が通らないなどのデメリットがあり、避けられてしまうのです。新しい買い手を見つけるのではなく不動産の買取業者への売却も検討する必要があります。
その他
市街化調整区域に立地しているなどの要因も、不動産の有効活用を阻むおそれがあります。
相続予定の家を今後有効に生かすためにはどうするべき?
相続した家は大きな資産として有効活用したいものですが、上記で解説のとおり活用しにくい不動産もあります。そのため、相続予定の家については今後有効に生かすために対策を進めていくことがおすすめです。
生前から家の活用方法を検討する
生前から家族で、今後家をどのように残し、活用していくか話し合う機会を持ちましょう。話し合っておくことで遺産分割協議時のトラブルを避ける効果もあります。早くから不動産会社などの専門家に相談しておくことで、相続開始前に有効か活用方法に出会える可能性もあります。
また、相続時に相続人間のトラブルが予想される場合、家を大切に引き継いでくれる方がスムーズに相続できるように遺言書を書くことも検討出できます。
贈与で早期に次の世代へ渡しておく
家の引き取り手が予め決まっている場合、生前に贈与しておくこともおすすめです。贈与を受けた受贈者の財産となり、収益化した場合は受遺者のものとなるため相続税を節税する効果もあります。2,500万円までの贈与税がかからない「相続時精算課税制度」を活用すれば、贈与税はおさえつつ財産移転が容易に行えます。ただし、相続税に贈与時時点の価額を相続財産の価額にプラスして、相続税は納める必要があります。
相続した家に使える節税とは?重要なポイントを解説
相続した家について、何か良い節税はないかとお考えの方も多いでしょう。節税にはさまざまな方法があるため、以下2つのポイントを押さえておきましょう。
相続税に詳しい税理士に相談する
相続税で家について評価を行う際には、相続税に詳しい税理士へ相談することがおすすめです。不動産評価の方法によって相続税額が大きく異なります。税理士にも相続税専門、企業・個人事業主の納税・節税を専門とする方がおり、すべての税理士が不動産評価や相続税に強いわけではありません。家の節税は、相続税の実績が豊富な税理士へ相談しましょう。
控除・特例を把握しておく
家の相続時には、使える控除や特例が複数あります。以下が一例です。
・小規模宅地等の特例(居住していた家の土地について対象、評価額を80%減額できる)
・配偶者の税額の軽減
・居住用不動産の3,000万円の特別控除(家の売却時に利用できる可能性)
・空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例(相続した空き家を売却する際に利用できる可能性)
・取得費加算の特例(譲渡所得の減少に効果がある特例)
この他に、相続人によっては未成年控除や障害者控除が利用できます。控除や特例は要件が細かく、適用させるためには必要書類を用意するものが多いため、こちらも税理士に相談しながら進めることが望ましいでしょう。
まとめ
本記事では相続した家の有効活用について、おすすめの事例や節税のポイントを解説しました。古い家であっても生前から対策を進めたり、相続開始後に有効活用を進めることで収益を生むことは可能です。特にお住まいにならない家を相続した場合には、固定資産税やメンテナンスコストがかかるため、収益化や売却を検討されることがおすすめです。